当院のホームページは、WordPressとSWELLテーマで動いているのですが、先日、多言語化のためにWPMLというプラグインを導入したところ、PageSpeed Insightsのパフォーマンススコアが51点まで落ちてしまったんで。最初は焦りました。「人に優しく、一生懸命に向き合う姿勢」は診療でもブログでも同じ。サイトが遅いのは、その姿勢に反しているような気がして。
そこで、ウェブサイト高速化のプロフェッショナルなレポートも参考にしつつ、本気で改善に取り組んでみました。結果、結論から言うと、WP Rocketは投資対効果が非常に高いプラグインでした。最終的には、パフォーマンススコアが99点にまで向上しました。
このブログは、私と同じようにWordPressサイトのパフォーマンスに悩む方、特にSWELLやWPMLを使っている方に向けて、具体的な手順と私自身の正直な感想をまとめたものです。
導入前の準備とSWELLの設定
まず、高速化プラグインを導入する前には、必ずWordPressサイトの完全なバックアップを取ることをお勧めします。これは、万が一表示が崩れてもすぐに元に戻せるようにするためですね。
そして、WP Rocketをインストールし有効化したら、最初にやるべきことがあります。それは、テーマであるSWELLのパフォーマンス関連機能をすべて無効にすることです。WP RocketとSWELLの機能が重複すると、競合してかえってサイトが遅くなったり、表示がおかしくなったりするリスクがあるからです。
具体的には、以下の設定をオフにしました。
- SWELL設定 > キャッシュ機能タブの、すべてのオプション。
- SWELL設定 > 遅延読み込み機能タブの、すべてのオプション。
- SWELL設定 > 高速化タブの「ページ遷移高速化」 。
これによって、WP Rocketに高速化機能を一元管理させ、トラブル発生時の原因特定も容易になります。
WP Rocketの段階的な設定とテスト
WP Rocketは、有効化するだけでページキャッシュが自動的にオンになり、サイトがかなり速くなります。ただ、99点を目指すなら、さらに細かい設定が必要です。特に、私のサイトを遅くしていた最大の要因は、サードパーティ製のJavaScriptでした。
- ファイル最適化
- HTML、CSS、JavaScriptの圧縮・結合を有効化しました 。
- 特に重要だったのが、「JavaScript 実行を遅延させる」機能です。パフォーマンス低下の最大の原因だったchatsimple.aiというスクリプトを、この機能で遅延実行するように設定しました。これにより、ページの初期表示が劇的に速くなりました。
- プリロードとデータベースの最適化
- WP Rocketの「プリロード」を有効化すると、ユーザーがクリックする前にページを事前にキャッシュしてくれるので、表示速度がさらに向上します。
- 「データベース」タブからは、不要なリビジョンや自動下書きなどを定期的にクリーンアップできるので、サイトが常に軽快な状態を保てます 。
これらの設定は、一つずつ有効化しては表示崩れがないか確認する、という手順を踏むのが安全です。
画像最適化のベストプラクティス
以前は、GoogleのWebツール「Squoosh」で画像を圧縮してからアップロードしていました。これはこれで素晴らしいツールなのですが、正直なところ手間がかかります。
そこで、WP Rocketと同じ開発元が提供している「Imagify」という画像最適化プラグインを導入しました。
- 自動化のメリット: Imagifyは、新しくアップロードする画像はもちろん、既存の画像もすべて自動で圧縮・最適化してくれます 。さらに、WebP形式の画像を自動で生成し、対応ブラウザにのみ配信してくれるため、Squooshで手動で変換する手間が一切なくなりました。
- プラグインの統合: これまで使っていたEWWW Image Optimizerのような他の画像最適化プラグインは、WP Rocketと機能が重複して競合するリスクがあるため、削除することをお勧めします。Imagifyに一本化することで、管理も楽になり、リスクも減らせます 。
WPML導入後のパフォーマンス改善記
WPMLは、多言語サイトを構築するための非常に高機能なプラグインですが、その仕組み上、どうしてもサイトが重くなる要因になり得ます 。
しかし、WP RocketはWPMLと公式な互換性パートナーシップを結んでいるので安心です。WP RocketはWPMLを自動で認識し、言語ごとに個別のキャッシュファイルを生成してくれるので、特別な設定はほとんど必要ありません。
もしWPML導入後にパフォーマンスが落ちてしまった場合は、まずWP Rocketの「JavaScript 実行を遅延させる」機能で、WPMLに関連する特定のJavaScriptファイルを除外リストに追加することで解決できる可能性があります 。
最終結果とまとめ
今回のパフォーマンス改善で、当院のホームページのPageSpeed Insightsスコアは、WPML導入後の51点から、なんと99点にまで向上しました!
LCP(Largest Contentful Paint)も、以前の10.8秒から2.1秒へと劇的に改善しています。
これは、単に数字が良くなったというだけでなく、患者さんが当院のホームページをより快適に閲覧できるようになったことを意味します。この素晴らしい成果は、患者さんの利便性向上を第一に考えている私にとって、本当に嬉しいことです。
これからも、診療を通じて皆さんの目の健康を守るとともに、このブログを通じて日々の気づきや学びを発信していきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。
Takeru Yoshimura, M.D., Ph.D.
たける眼科
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